◎ Batuichi end ◎
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その後。
マクゴナガル先生に捕まり、ジェームズ、スネイプはこっぴどくしかられた。校長先生の前に引き立てられ事の顛末を聞かれ、ジェームズは実にすらすらとスネイプが驚くようなウソ八百を並べ立てた。
恋薬の『こ』の字も出さす、仔細は、スネイプが先に悪戯を仕掛けてきて、ジェームズがやり返し、箒チェイスになり、決闘の末、クィディッチ競技場を水浸しにした、ということになった……。
正直にすべてを告げようとするスネイプにジェームズは『恋薬ってなに?きみ、夢でもみたの?』と微笑すら浮かべ惚けた。恋薬の一件は、被害者がまったく覚えていない。見ていたはずの外野も、どこからか圧力が掛かったのか、口を閉ざしている。シリウスやピーターはあの、セブルス大好きの怖いルーピンを記憶の底から永久に消したいらしく二度と口にはしない。
証明できない。
大きく括ると、復讐も悪戯にされてしまうのか……。
『いつでもリベンジ待ってるよ』というジェームズにスネイプは歯軋りした。
あの時一瞬でも、こいつを普通のいい奴かもしれないなんて思ったのは私の誤りだった。
こいつは案外、最初から、私の華麗なる復讐を単なるくだらない悪戯に置き換えようと企んでいたのかもしれない。
「おのれポッター」
やはりお前は悪魔のような男だと、心の中で呟きながら、スネイプはジェームズとふたり、仲良く競技場の掃除と学校の廊下磨きを魔法なしでした。
このおかげで、スネイプは結構面白い奴だとぐんと好感度が上がったのは本人の知らないことだった。
まったく、ポッターのせいで踏んだり蹴ったりだ。
そう思うスネイプに、ひとつだけいいことがあった。
あれからルビウス・ショーが気さくに声をかけてくれるようになった。お菓子作りのこと、魔法薬のことで話が弾むようになり、週末にはよかったらお茶に来たまえと誘われた。
もちろんスネイプはいくつもりだ。
ジェームズ・ポッターとの勝負は改めて仕切りなおすことにする。覚えていろよと呟きながら、スネイプは、父親が送ってくれたジョンソンの店の新作ケーキのうち、どれを持っていったらショー先生が喜んでくれるか考える。
はじめての復讐は、総合的に見て判定負け。でも、してやったこともあり、チョコのようにほろ苦い、いい感じがした。
(end・了)

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