◎ Batuichi first ◎
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ジェームズ・ポッターは十歳のニューイヤーに実の父と賭けをした。
勝ったらお前が前から欲しがっていた金の足のついた揺り椅子をやろうと言われ、らしくもなく熱くなった。
でも、負けたら……。
「負けたらホグワーツ魔法魔術学校に入学して魔法使いになってくれ」
談話室、ポーカーテーブルを囲む酔客に挟まれ、一人しらふの父は、息子の将来を買い物を頼むような口調で言った。

代々が魔法使いという純血の家系に生まれた父は、どう言う訳か全く魔力の芽生えがなかった。
魔法使いの両親の元に生まれ魔法の使えない人のことを『スクイブ』というが父はそれだった。(このことを知っているのはごく一部で公には彼は魔法使いで通っていた。)
ただ、商売の才能はずば抜けたものがあり、駆け引きの巧さからあっという間に財を築き四十前にして愛する妻と悠々自適な生活を送っている。

自分がだめなら息子を世界一の魔法使いにしたい。

富とそこそこの名声を手に入れた父が次に望んだのは自分が果たしえなかった夢を息子に実現させることだった。


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