◎ pigeon ◎
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スネイプとルーピンが誘拐されたのを目撃したのはピーターだった。

ルーピンに渡したお菓子の袋に大切なものを入れ忘れたと、彼は慌てて後をおった。
追いついて、ルーピンがスネイプと立ち話をしているのをみた。

スネイプを苦手なピーターは話が終わるのを隠れて待っていた。

そして四人の、フードを被った男達に二人が拉致されたのを目撃した。

ピーターは騒がず、彼らの後をつけた。
複雑なホグワーツ内、迷いそうになる度ピーターは目印にお菓子やいたずらグッズを落として進んだ。そうして彼らが、今は使われていない区画の一室に消えたのを確認すると、一目散に戻ってきた。

動く階段と、流れる廊下、長い距離を息の続く限り走りピーターは最初に保健室のシリウスにそのことを告げた。
シリウスは夕食が終わって二時間以上もたつのに姿を見せないルーピンを心配していた。そこにピーターの知らせ。しかし保健室からは出られない。マダム・ポンフリーが飛び込んできたピーターの様子をいぶかしんでいたから。
ことがことだから先生に知らせたほうがいいんだろう。
でも、シリウスは先生ではなくピーターにジェームズに知らせに行かせた。自分はあとからこっそり、マダムの目をかいくぐり出てゆくからと言い置き。

知らせを聞いたジェームズは血の気を失った。
すぐに平静を取り戻しピーターから大まかな場所を聞くと彼にはシリウスと合流してから来るように告げた。

状況如何によっては、先生の手は邪魔になる。

いろいろ物騒なことを考えながらジェームズは一足先に現場に着いた。

ルーピンが飛び出してきた。

戒められている手と噛まされているさるぐつわをはすして、中の状況を手短に聞く。
服、髪は乱れていたが大丈夫だという。
踏み込もうとしたとき、シリウスとピーターがやってきた。
シリウスはルーピンをみて目を剥いたがスネイプのお陰で無事という彼の言葉を聞いて神妙な顔になった。

あとは、闇に乗じてスネイプを救出。

シリウスはピーターとルーピンに付き添われ保健室へ。
仮病を使うまでもなく顔色の優れないルーピンは、やっぱり少し顔の赤いピーターともども保健室にお泊りになった。
こっそりベッドに戻ったシリウスは動き回ったせいで始まった寒気に悩まされながらもルーピンの元に駆けつけ詫びた。

自分がわがままを言わなければと、見る間に萎むシリウス。
ルーピンは、これは偶発的なもので誰のせいでもないと告げた。

誰も悪くない。いくつかの要因が重なったから起きた天災のようなもの。

「それにシリウスはちゃんと助けにきてくれたじゃないっ」

両手が使えないのに、動くだけで傷にひびいて辛いはずなのに、駆けつけてくれたじゃない。

微笑みルーピンは両手を広げ、シリウスを抱きしめる。
「ちゃんと助けに来てくれた。うれしかったんだよ」
ぎゅっと抱きしめルーピンはシリウスにオヤスミを言う。カーテンの隙間からピーターが覗いていたが、気がつかないことにした。
愛しのルーピンの隣(カーテン越し)でシリウスは静かに眠りについた。

夜中にこっそりピーターが起きだし、彼の枕元にリボンの掛かった包みを置いたのにも、彼は気がつかなかった。


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