サランディプティー 
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その後、マーズ・ヒューズ中佐が、セントラルに戻ったとき、やけどをしていたかどうかは確認ができていない。
ただ、イーストシティのロイ・マスタング大佐から、ヒューズ夫人に短い(仰々しい)面会申し入れの手紙が届いき、訪問してきた大佐から、悲痛な面持ちで何事かを告白されたとき、彼女、グレイシア・ヒューズは、穏やかそのものの微笑を浮かべ言い放ったという。

仲良くやりましょうね……と。

大佐がその言葉になんと答えたかは、風の便りにも載っていない。

以前と変わりなく、前にも増して頻繁に中佐と大佐がお互いの元を行き来するようになったことから
二人の関係はまんざら険悪でもないようだ。


ハボックは暫くは抜け殻同然だった。
それも時が解決してくれるだろう。


エドワード・エルリックとアルフォンス・エルリックの兄弟は、今日も平和に各地をさすらっている。

「平和だ……」
「そうだね兄さん」
片田舎のカフェで茶をすするエルリック兄弟。
でもエドはちょっと面白くなかった。
最近大佐がおとなしいのはいいが、セントラルにいくとかなりの確立で大佐にあう。
そして、一緒にヒューズ家に呼ばれ、食事をご馳走になるのだが、その席で大佐と中佐と中佐夫人は、三人にしかわからないような意味深な視線を交わしていることがある……。

仲間はずれにされているような気になる。そして、そのヒミツめいたにおいのする視線の意味が気になるこの頃だった。

(終わり)

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