週番(ピーター・ペティグリュー)
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■ 七日目 ■(代理・リーマス・J・ルーピン) ピーターの熱が下がらないのでシリウスの時と同じように繰上げで週番をすることになった。 ピーターの熱は呪病らしい。 保健室に行ったときかいだ薬のにおいが、魔払いをするときに使われるのと同じ匂いだった。 僕は近づけなくなる。人狼の僕は一応闇に近い存在らしいから。 医務室から帰って具合の悪くなった僕をシリウスは一晩中看病してくれた。 自分もまだ本調子じゃないのに……。 朝になってマクゴナガル先生に呼ばれて、一日繰上げで週番をやるように言われた。 考えてみればここ最近急に体調を崩す人が多い。 授業は空席が目立ち、先生たちの中にも急な発熱で動けなくなる人が多い。 今日は魔法薬学だった。ショー先生は相変わらず具合が悪いらしい。 新しい『闇魔防』の先生が代理で授業をすると言った。 先生は自分は昔から細かい作業はニガテだったからと笑い、手帳を取り出した。 「『今から言う手順で薬を一つ作ってもらおう。教科書には載ってないからそのつもりで、一度しか言わないからメモをとりたいものは急いで準備して』」 ニガヨモギ、ツキミソウ、紅色オオトカゲの目玉、なきにんじん、ムッツリたまねぎ、ラバーズビーズ、スイセン、フルフレイバー、色はグリーンでいい。人狼の体毛…。 「……」 「……」 「……」 「『は、こちらで用意したから各自取りにくるように、水晶の粉末、グリンデローのうろこ』」 材料は四十種類になった。 それをすべて微塵にする。 海水で煮つめて水晶、人狼の体毛をくわえて、呪文をかける。 そうしてできた薬を先生は一つ一つの鍋を見て回って点数を付けていく。 良くできたと高評価を貰ったのは僕とスネイプの鍋。 先生はそれを容器に少し取った。 「『さて、薬の出来を確かめるために、これを今から渡す紙に塗って、各々自分の枕元において次のショー先生の授業まで毎日観察日記をつけておくこと』」 「これは何の試薬でしょうか?」 と挙手をしてスネイプが訊ねる。 「『「いい質問だ。それの回答は一週間後に行う。観察日記とともに、この試薬が何かの回答をつけてもらおう』」 と、先生はいい、残り十分あったがあとは自習と言い放ちいなくなった。 『魔法薬学』と『闇の魔法に対する防衛術』のミックスのような授業は終わった。 僕は後片付けをして、教室に鍵をかけてそれを返しに行く。 ノックをしてショー先生の部屋に入ると、目を閉じぐったりとベッドに横たわるショーの枕元でパン粥をふうふう、さましている『闇魔防』の先生がいた。 「教室の鍵です」 「『ああ、ありがとう。そこの壁にかけておいてもらえるかな?』」 今手がはなせないから。 先生は、さましたパン粥をショー先生の口へと運ぶ。 枕元には、さっき僕たちが作った薬を塗った紙が張られている。 紙の端からショー先生に向かって何本もの桃白い線がのびている。 ショー先生はおとなしく口をあけてもぐもぐとパン粥を食べている。 「お辛そうですね……先生」 「『うん……君にだけはいっておこうかな……ルディ……ルビウス・ショー先生の病気は呪病なんだ』」 急な発熱、風邪に良く似た症状。でも、呪いはじわじわと体力を奪っていく。 たった一週間で口も利けないほど弱ってしまう。 「『どこかの誰かがオモシロ半分にかけたらしいんだけどね……』」 それが蔓延しつつあるようだからと先生はいい、もう一匙パン粥を掬ってショー先生に食べさせる。 「『きみも気をつけたほうがいい』」 ホグワーツの中でなにか看過せられざる出来事がおきつつある……。 |
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