週番(ピーター・ペティグリュー)
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■ 一日目 ■(ピーター・ペティグリュー&シリウス・ブラック)

今週から一週間は、僕が週番をやることになった……。
どうして、シリウスやジェームズやルーピンなら分かるけど、どうして僕が……。
マクゴナガル先生も、僕が監督生になれないことは分かってるはずなのに、なんで僕にまで監督生をやらせようとするんだろう……。
みんな僕の言うことは聞かない。
そんなことくらい分かってる。
僕は、かっこよくも可愛くもない。成績だって普通だし……でも、ルーピンは時々イヤミのように言ってくれる。

ピーター、君だってジェームズやシリウスに負けないくらいチャーミングだよっ。

レイブンクローの君の彼女やファンクラブのお姉さんたちは、ジェームズやシリウスよりも君のほうが魅力的だから周りに集まってきてるんでしょ?

ルーピンは時々酷いイヤミをいう。

女の子のように優しい顔で、何にも知らないよ、と言う顔をして酷いことをいう。
レイブンクローの女の子とは確かに付き合ってる。
でもその子は僕を好きなフリをして本当はシリウスが好きなんだ。
シリウスをみる彼女のうっとりした目がそういっている。
ファンクラブのお姉さんたちだって、本当はシリウスやルーピンやジェームズが狙いで、僕の周りにいればみんなに近づきやすいと思ってるに違いない。
僕はジェームズのように整った顔はしていない。
シリウスのような綺麗な顔はしていない。
ルーピンのように可愛くもない。
成績もよくない。
周りの皆が噂しているのくらいしってる。

ピーター・ペティグリューはパセリだ……。
パセリは、料理に彩を添える引き立ての野菜。
友達というならルーピン、シリウス、ジェームズはそれぞれに釣り合いが取れている、でもアイツだけは身の程知らずもはなはだしい。
皿の中のパセリのように食べ残されて捨てられる……。

僕だって、三人と同じ部屋じゃなかったら多分一緒に行動しなかったって思ってる。
僕は多分、普通の人。
三人はすごい人。光り輝くダイヤモンド。

引き立て役、普通の人、そんな僕を好きな人がいるなんて信じられない。

「ピーター、お前には世話になったから」
今日は俺が監督生手伝う。
朝、一週間ぶりに医務室から帰ってきたシリウスが微笑みながら唐突に言った。
「今日一日お前のパシリやってやるっ」
「ほんと!」
「ああっ」
任せとけっ。どんと大きく胸を叩いてシリウスは大きくうなずく。
僕はシリウスのこういうところが好きだ。
ジェームズやルーピンがお腹の中で何を考えているかわからないのにくらべて、思っていることが顔に出るシリウスは安心して傍にいられる。
銀色のPバッジをつけて、食堂へ行く。隣にはシリウスがいてくれる。
それだけで自分がすごく強くなった気がする。
階段に嵌った一年生を助けた。迷子を捜した。授業の準備もして、みんなを誘導もした。
傍にシリウスがいて、よく見ててくれたお陰で、初日はなんの騒ぎも起きなかった。
と、思う。
言葉の通りシリウスは一日傍にいてくれた。
部屋に戻ったあと、ルーピンはシリウスに体調を聞いていた。
シリウスはもうすっかりさと笑いながら片目を瞑る。でもルーピンはひざ掛けを持ってきてシリウスの肩にかけた。
ジェームズは左肘をさすりながらその様子をみている。
「あと六日、大変だと思うけどがんばれよ」
ジェームズはそういってくれたけど、それはどういう意味なんだろう?
簡単そうに監督生をこなしていたジェームズに「大変だとおもうけど」なんていわれると……なんだかいやな気持ちになる。
お前はすごく大変だろうけどと言われている気がして……なんだか惨めだ。
そして、友達の言葉を真っ直ぐに受け取れない自分を感じて、さらにいやになる。


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