週番(ピーター・ペティグリュー)
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■ 六日目 ■(代理・シリウス・ブラック) 夕べ急にピーターが熱を出した。 昨日どうやら強烈なスネイプ親派に『スネイプに対する態度が生意気』そんな理由でリンチにかけられそうだったピーター。 たまたまそれを見つけたスネイプと、一緒にいたジェームズのお陰で無傷だったそうだ。 最近のリンチは体に傷を残すようなマネはしない。 労力が少なくてダメージが大きい『強姦』の手を使うからたちが悪い。 俺はそういう話を聞くたびに思う。 男だったら杖と拳で正々堂々ケンカすりゃいいのに……。 もし、俺のリーマスにどっかのアホがそんなまねしたら、ミンチにしやる。 そういったらリーマスは、大きくため息を付いて、それじゃ君が犯罪者になっちゃうでしょ?といった。 「ミンチにはしなくていいから……そうだな、顔の形が変わるまでボコるので勘弁してあげなよ?」 可愛いリーマス。俺のリーマス。やさしいリーマス。リーマスはなんて優しいんだ。 それはさておき、ピーターの代理で今日は俺が週番をする。 ジェームズに一日借りのある俺は、ヤツからピーターの代理で一日働くことでチャラにしてやるといわれた。 代理の代理。 はあ、悪夢がよみがえる……。 とりあえず、校内の見回りから。 親衛隊を引き連れたスネイプとはちあわせしたが、スネイプは俺を見つめるだけで何も言わないで通り過ぎた。 ヤツはやつなりに責任を感じてるらしい。 自分の知らないところで『自分のため』とだれかが騒動を起こす……迷惑たらたらなはなしだぜまったく。 アイツもそれなりに大変なんだよな……。 見回りを初めてすぐ、例の一年坊主とあった。 スネイプから貰ったらしいピンクの薔薇はすっかりしおれ、それと同じくらいヤツもしおれていた。 目が合ったら、こっちによってきて、なみだ目で訴えられた。 好きな人がいるからとスネイプに振られたと、切々と訴えられる。 うう、タイミングが悪い……。 慰めの言葉を口にしたら、、恋人のいるブラック先輩には俺の気持ちは分からないといわれ、思わずやつの頭をはたく。 グーじゃなくてパーにしたのは俺の配慮ってヤツだ。 一人ぶってんじゃねえよ……。 つい、言ってしまった。やつは泣きながら立ち去る。 ああ、ま、いいか俺の代理は今日だけだし……。 俺は、旧館の方へ足を伸ばす。 昨日ピーターが連れ込まれた部屋にいってみる。 こういうやばそうな場所は、近づかないようにリーマスにも言っておかなきゃな。 ……と、ドアの前に人影が……。 校長だった。 校長はドアにむかってなにかぶつぶつ言っている。 「月、星、時間全ての運命が回り始める……。絡み合った真実が解けはじめる」 ? 校長は俺にきづくと、代理ご苦労と呟く。 片目を瞑って君は芝居はすきかね?いいだした。 「いえそんなに好きというほどでは……。」 「そうか……わしは好きじゃ。最近古典にこっておってのう、クリスマスには皆で演劇大会をしようかどうか検討しておるところじゃて……」 ああ、さっきのぶつぶつは芝居のセリフか……。 ぼけたのかとおもって心配しちまったぜ。 「ピーター君はどうかね?」 「え?急に熱を出したので、びっくりしました。今日はまだ見舞いにいってないので」 「そうか……友達はかけがえのないものじゃな。どんなに面倒をかけられても、憎めないという子がおる。人間は自分も他人も、なにをどれだけできるかで価値をはかりがちじゃが、本当のところはそれだけで決まるものではない。……わしなど、小さいころはいつもぼんやりしておった。回りの友達には迷惑をかけどうしで……」 いきなり校長トークが始まった。 どこか遠くをみながら懐かしそうに、でもさみしそうに校長は話を続ける。 小さい頃いつもぼんやりとしていて、周りから将来を心配されたこと、そんなだからいじめっ子がよく自分を標的にしてきたこと、いつもかばってくれた友達がいたこと、その友達はいまは消息不明で、もし彼が生きていたら間違いなく世界一の魔法使いになっていただろう……。 「実力的には並ぶもののない優れた魔法使いじゃった。真っ直ぐさと、ゆるぎない正義感の持ち主……じゃが……」 と言葉を切って校長はため息を付く。 友達は信頼で結びつくのが一番じゃが、愛情も必要じゃ。 愛と思いやりと信頼と……。 打算だけではないたくさんの感情での結びつくきが絆を強くする。 「すまんのう年寄りの長話に着き合わせてしまった」 「……いえ」 校長が何か重要なことを伝えようとしているのが分かった。 でも、俺にはそれがわかったような分からないような……収まりの悪い感じがした。 夕食中ジェームズにそのことを話したら意味深だといった。 リーマスも同じらしい。 ピーターの好きなプディングを持って三人で見舞いに行く。 マダムはいまは薬で眠ってるから面会は出来ないといわれた。 枕もとにプディングを置かせてもらって皆でかえる。 |
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