週番(ピーター・ペティグリュー)
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■ 二日目 ■(ピーター・ペティグリュー&セブルス・スネイプ)

二日目
シリウスは隣にはいてくれない。
僕は昨日と同じ事をする。
迷子を捜しにいったら、「彼女」が目を輝かせて僕を見る。
手を振られたのでふりかえした。
上級生のお姉さんたちがくすくす笑いながらこっちを見ているので、急に恥ずかしくなった。
今日は魔法薬学が自習になった。
インフルエンザで熱の下がらないショー先生の変わりに点呼をとって課題の説明をする。
でも、皆話を聞いてくれない。
「教科書の368ページにある課題を……自習して下さい!!」
大きな声を出すと、喉のあたりが苦しくなる。
僕は生まれつき人より気管が細い。扁桃腺も腫れやすい、驚いたり興奮するとすぐ息が詰まる。
シリウスはルーピンと話している。ジェームズは左肘をさすりながら辺りを見回している。
誰も僕を助けてはくれない。
自分でやらなきゃいけないって、分かってるけど、息が……。
「グリフィンドール監督生代理」
ざわざわのなか、声がとどろいた。
みると、スネイプが……真っ直ぐこっちを見て手を上げていた。
皆一瞬で静かになる。
「質問があるがよろしいか?」
「……は、はいどうぞ」
「教科書368ページの課題を自習しレポートを提出、次回ショー先生がいらっしゃる授業で実技試験を行うということだが、この教科書には課題が四つ載っている、その四つを全て行ってもいいのか?一つまたは二つを選んで行うのか?」
「ええと、課題は一人最低一つを選んでやってください。余裕のある人は二つ目、三つ目をやってもいいそうです。できる課題が多いと、点数も高いそうです」
「なるほど。時間内により多くの課題をこなせば高得点、逆に一つも出来なければ減点を食らう、と、こういうことでよろしいか?」
「はい」
「最後に一つ、レポートの長さ制限は?」
「え?」
「何メートルかいても良いのか?」
僕は言葉に詰まりながら聞きにいくといった。
そして実際授業中の廊下を歩いてショー先生の所まで行った。
先生のところには、新しい『闇の魔法に対する防衛術』の先生がいて、枕元でりんごを剥いていた。先生は君にりんごを剥いてもらういわれはないと弱弱しく行っていたけど、綺麗にカットされ口元まで運ばれるりんごを美味しくなさそうに食べていた。
声をかけないほうがいいと思ったけど、見つかった。
弱ってるショー先生は忌々しげに僕を睨みつける。
(でも弱ってるからいつもの迫力はなかった)新しい先生が僕を隠すようにして前に立ってくれ、小さい声で言った僕の質問を繰り返してくれる。
「レポートは何センチまでだい?」
と訊ねてくれた。
ショー先生は30センチと呟くように言った。
30センチまでだって、さあ早く行きなさいと、いう先生に対しベットから起き上がったショー先生は待ちたまえといった。
「……君が誰かは分からないが……ここで見たことは他言無用だ……」
「は、はい誰にも言いません」
でも、何を?
良く分からなかったけどそういって教室に帰った。
教室では、皆が真剣な顔で鍋とにらめっこしていた。
僕がいなくなった後、シリウスとスネイプがスリザリンとグリフィンドールどっちが高得点を取れるかで言い争いになったらしい。
「レポートは30センチまでだそうです」
いったらスネイプはひとつ七センチと少しかって呟いた。
「ありがとうペティグリュー」
お礼を言われた……。
みんな真剣に授業を受けていた。
僕は後片付けがあったので一番最後に出た。
地下牢教室を出て鍵をかけると、柱のところにスネイプが立っていた。
「頼みがある」
とスネイプは袋に入った物を僕にさしだした。
「これをポッターに……」
「え?」
「ヤツの……落し物を拾った……お前から渡してくれまいか?」
預かって、ジェームズに渡した。
ジェームズは袋をのぞいて、ふふと笑う。
「何?」
とルーピンがよっていって袋中身を覗こうとした。
ジェームズはさっと袋の口を丸めてあいまいに笑って自分の陣地(ベット)へ引っ込みカーテンをかける。
「なんだ〜?ジェームズのやつ」
シリウスは眉を上げながら胡散臭そうにジェームズのほうを見る。
「ねえピーター何が入ってる感じ?」
ルーピンが聞いてくる。言われてる意味がわからなくて聞き返した。
「なにって?」
「手触りだよっやわらかいとか、硬いとか」
「ああ、柔らかかった……布の塊みたいな感じ」
「ふーん」
「ふーん」
シリウスとルーピンは同じようにうなり瞳をめぐらせる。
「あれかな……」
「多分」
「?あれって」
二人は顔を見合わせて笑った。
……僕は二人が何を思いついたのか教えてもらえなかった……。
二人のこういうところは……すごく腹立たしい。
今日はスネイプのお陰で助かった一日だった。
でも、ルーピンとシリウスの……。いいや、やめておこう。
今日は最後に少し仲間はずれにあったけど、だいたいいい一日だった。


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