週番(ジェームズ・ポッター)
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■ 五日目 ■(ジェームズ・ポッター)

「シリウスのようになりたくなければ絶対アルコールを摂るな」
意味深な言葉をかけられた。
だから、アルコールを飲んでみた。
スネイプの忠告が正しければ、アルコールを摂った俺は、シリウス同様、アレルギー反応がでるハズだ。
が。
「なんともない」
まったくなんともない。
シリウスのときは、冷や汗をかいてのた打ち回って苦しんでいた。
翌日には高熱が出て、まぶたが腫れて、舌も腫れて大変だった。
ルーピンが付きっ切りで看病して、よくなっているが、全快するまでもう少しかかる。
落ち着いて考えてみれば、我ながら、よく、アルコールなんか摂る気になったもんだ。
アレルギーが出ていたら、酷い有様になる。長く苦しむ、酷く苦しむ。
ルーピンをかまうシリウスのように、スネイプが俺を構ってくれることはないだろう。
そんなことは絶対にないと分かっている。
「……」
ただ、気になった……だけだ。
あのスネイプが珍しく、俺に忠告なんかするから……。気になっただけだ。
アルコールを摂ったら、ほんとうにアレルギーになるのかと。

監督生業務をさくさく片付ける。

気がついたら代理も後半で、もうちょっとで終わる。
おんなじことの繰り返しの仕事だが、根気の要る作業が多い。

スネイプの温室から例の一年坊主が出てきて、泥足で廊下を歩いていた。
時々泥を壁になすりつけながら歩いていたので注意をした。
ヤツが反抗的なのはいつものことだが今日の態度は何時も以上にむかついた。
「なんでおまえなんかのいうこと聞かなきゃならない」
呟くでもなくそういわれた。
反抗的な目の中にあるのは、嫌悪?だろうか?。
ヤツの後ろをフィルチさんのネコが通ったのを見つけた。
尻尾を翻していなくなったネコがフィルチさんを連れてくるまでほうっておいても良かったが、俺はヤツにもう一度忠告をした。
「お前が何をどう思っていようと、そんなのは俺の知ったことじゃない」
「……」
?と言う顔をしてヤツは俺を見つめる。
「俺は自分の仕事の範疇でお前に言っているだけだ。不可抗力なら仕方ないが、わざと廊下を汚すようなマネはするな」
「……」
奴がハナで笑って、余計に泥を擦り付けた所にフィルチさんが現れて、一年坊主の耳たぶを掴んで引っ張っていった。
多分ヤツはフィルチさんの監督の下、廊下掃除をすることになるだろう。
バカが一人消えた。
帰ろうとして振り返ったら、スネイプがいた。
スネイプはなにか痛々しいものを見るような目で一年坊主とフィルチさんを眺めていた。
そして俺に目を向けると、仕方なさそうに肩をすくめた。
「なんともなかったよ……」
つい、いっていた。
「なに?」
「アルコール……なんともなかったよ……」
「……」
言葉に合点がいかないという風に、スネイプは俺の顔を眺める。
「まさかお前……アルコールを摂ったのか?」
「……」
はっきり答えず首をかしげてみせた。
スネイプは息を詰めて、俺の手を掴んだ。
「来い」
「え?」
「何もいわずついて来い」
「……」

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