週番(ジェームズ・ポッター)
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■ 三日目 ■(ジェームズ・ポッター)

クリービーから連絡があって、騒動になりそうな芽を一つつぶせた。
二年生で、ルビウス・ショーの魔法薬学の授業、鍋に洗剤を入れて熱いシャボン玉を作ろうとしていた集団。
彼らはまだ大人に対して幻想を持っている。
大人は子供に対していつでも寛大であるという幻想。
だから、彼らはショー先生も機嫌のいいときと悪いときがあるというのが理解できない。
大人のショー先生は子供の生徒に対していつでも機嫌よく、寛大でいるべきだと思っている。
機嫌が悪いと生徒に八つ当たりする(確かにそこは問題はあるだろうが)ショー先生は奴らの中では極刑に値するものらしい。
大人だって人間だ。でも奴らはそれを分からないらしい。
笑いがこみ上げてくる。
○○は▲▲であるべきだ、と主張するやつの中には、自分だけは例外。
自分だけは特別免除されると思っている奴が多い。
大人と子供の違いは、その出来事に遭遇したときの理解の深さとリアクションのバリエーションだと俺は思っている。
同じ出来事に遭遇しても何を基準にどう思えるか、どういうふうに行動を起こすかだ。
愚痴をきかされたと憤るのも行動の一つ。
愚痴を聞かされたけど、面白い発見もあったと喜ぶのも一つ。
なんでそいつは愚痴るんだろうと原因を考えて「○○すればそれはなくなるんじゃないか」とアドバイスするのも一つ。
子供なのに「思慮分別」のある奴もいる。
「自分勝手」で他人のことを慮れない大人もいる。
原石のまま過ごすか、磨かれてダイアになるかの違いだと思う。
いずれにしろ、 彼らが大人になったとき、年下の子供に対してどうふるまうか、非常に興味深くある。
事前に釘を刺したが効果はなさそうだった。
ショー先生の機嫌が悪かったら、他の学年にも累がおよぶ。
……例の一年坊主をたきつけた。
幸い、ショー先生はスネイプの最も尊敬する先生。
スネイプがショー先生の授業の面白さを他の生徒がもう少し分かることができたらと呟いていたといったら、ヤツは授業中の平安をよく守ってくれた。
洗剤を投入しようとしていたグループは見つかったが、たまたま機嫌の良かったショー先生に寛大な処置をしてもらった。
俺はボーナスを請求されて、カメラ目線の生写真を一枚クリービーに撮られた。
今日もルーピンとピーターはシリウスの看病で俺は部屋に一人。
見舞いに行くとルーピンとシリウスのいちゃつきぶりにバカらしくなる。
「二人の間に他人はいらない」をビジュアルにしたような有様に早々に帰る。
ピーターはよくもまああの場にいられるもんだ。……つらくないんだろうか……。
見舞いを終わらせて食事して部屋に帰ろうとするとスネイプに声をかけられた。
「お前は体に大事無いか?」
慇懃に聞かれた。
「……いまのところは……のどもいたくないし、熱もないし……」
「……手を見せろ」
といわれたので両手を出した。
スネイプはじっと、こちらの手のひらを見て小さくため息を付く。
「……ポッター悪いことはいわない。絶対アルコールを摂るな」
「?え」
「……ボンボンなどもってのほかだ。ブラックのようになりたくなければ」
絶対アルコールを摂るな……。


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