週番(ジェームズ・ポッター)
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■ 一日目 ■(ジェームズ・ポッター)

シリウスが急病になったため、急遽繰上げで週番をやることになった。
俺のモットーは「騒動の芽は育つ前に潰せ」だ。
騒動を起こしそうなヤツ、騒動に巻き込まれそうなやつを重点的にチェックしておく。
スネイプになついているウチの寮の一年坊主は、なんだか知らないが俺に反抗的だ。
しおれたピンクの薔薇を胸に挿して色男を気取っているさまが苦い笑いを誘う。

シリウスが病気なのは痛い。
ヤツほどカンが働いて、そして骨惜しみなく動いてくれる友達はそうはいない。
困ったことが起きたらシリウスに、とアテにしていたが外れてしまった。
今回は仕方ないのでクリービーに生写真一枚で協力を要請する。
俺の写真はどういうわけか闇で高く売れる……。
写真は呪いの媒体になることもあるからなるべく撮らせないようにしていたが仕方ない。
一日目、根回しが効いたようで、たいした騒動は起こらない。
ただ、下級生にまとわりつかれて身動きが取れなかった。
先生に聞くまでもない簡単なことなんですが分からないことがあって宿題を教えて欲しい。ポッター先輩は好きな人いるんですが、誕生日はいつですか?
見世物状態。
こういう状況はニガテだ。
ピーターが通りかかったのであとはピーターに頼んで俺は校内を巡回する。
さくさく終わらせないとクィディッチの練習時間がなくなる。
宿題も山のように出ている。
時間の配分を考えて行動しないといけない。
現・監督生・J・ヒギンズにはまったく頭が下がる。
彼は正義感が強くてとても腰が低くて面倒見がいい。
面倒見。監督生はその一言に尽きる。
面倒見といえば、ルーピンは暇があればシリウスの所に行っている。
シリウスは「桃のむいたの食べたい」だの「背中が痛い」だの言い、いつも以上に構ってくれるルーピンにここぞとばかり甘えている。
シリウスは幸せそうだ。
アレルギーで両手の指先が緑色に変色して腫れていて、熱もあって、まぶたも腫れている、起き上がれなくて、食事もトイレもベッドの上なのに、ほんとうに、幸せそうだ。
ふう。
明日も「騒動の芽は育つうちにつぶせ」でいこう。


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