週番(ジェームズ・ポッター)
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■ 四日目 ■(ジェームズ・ポッター)

絶対アルコールを摂るな……。
「どうして?」
「……」
聞いてみた。
スネイプは視線を動かさずじっと俺を見る。
綺麗な目、真っ黒で深い色合い。真夏の森の中で見つけた井戸のそこを覗き込んで見つけた水と同じ色……。静かで強い輝きのあるスネイプの目は、しんと澄んでいる。
「……忠告はしたからな……」
俺の問いには答えずスネイプは靴音を響かせていなくなる。
「……」」
意味深な言葉を吐かれた。
気になって仕方ない。
シリウスはパールラディッシュのアレルギーで医務室の住人になっている。
パールラディッシュというのはたしかマンドレイクに似ている植物で、アルコールでつけてその漬け汁を具合の悪いときに飲む、薬効のある魔法植物だ。熱を下げるんだったか、腹痛をとめるんだったかそれは忘れたが体に害はないはずだ……。
「……」
スネイプがわざわざ俺に言いに来たということは、シリウスのあの状態とスネイプは何か関係があるということか?
スネイプはああ見えても義理堅い。
「……」
医務室へいく。
シリウスはルーピンにりんごを食わせてもらっていた。
ルーピンに「シリウスはまだ体が本調子じゃないんだからあんまり無理させないで」と釘を刺されたので、単刀直入に聞いた。
「シリウス、俺はパールラディッシュをさがしてるんだ……どこかにないかな?」
「……ああ、それならスネイプの野郎が持ってたな」
スネイプ、温室、イタズラを仕掛けた一年坊主、仕返し……。
シリウスは自分の当番のときに起きた出来事を話してくれる。
シリウスはパールラディッシュのアレルギー体質だった。
スネイプの温室でそれに触って、アルコールを摂ったことで発症した……?
そしてスネイプが俺の手を見て「アルコールを摂るな」といったことを考えると、俺もパールラディッシュのアレルギーがあるってことか?
パールラディッシュは触るだけで成分が吸収されるのか?
「……」
「どうかしたのか?」
シリウスがはれた目を、思案気に細め訊ねてくる。
「いや……ちょっと」
「はい。話はもうそろそろおしまいっ」
ルーピンはシリウスを強引にベッドに寝かせ薬を飲ませる……。
きっちりすりきり一杯のシロップを飲ませるルーピン。
構いっぷりが妙に板についている。
俺は医務室を後にする。
シリウスはスネイプの温室でパールラディッシュに触った。
シリウスは皆にそれをうつした?、スネイプはそれに気付いた。
スネイプは義理堅い。そして多分解毒剤も持ってる……。
「……」
部屋に帰って俺はシリウスのベッドの下を探る。
レモネードと、ジンを見つけた。
二つをブレンドして……。
飲んでみた。

どうして、ダメだといわれたら余計やりたくなるんだろう……。


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