週番(ジェームズ・ポッター)
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■ 二日目 ■(ジェームズ・ポッター)

シリウスは良くならない。
ルーピンは授業以外の時間の全てをシリウスについている。
つきっきりで看病している。
なんだかんだ言ってもルーピンはシリウスにほれている。
ルーピンがシリウスを構う様は、シリウスがルーピンにそうするのとよく似ている。
ルーピンのくしゃみ一つにまで神経をすり減らし、医務室にいこう!とルーピンを引っ張っていくシリウスの病的なまでの心配性、細かさを、今のルーピンはシリウスに対して持っている。
「ほら、肩冷やしちゃうから……これ羽織ってっ」
「食欲なくてもちゃんと食べないと……桃むこうか?むくから食べよう?」
シリウスはいちいちにとろけんばかりの笑みを浮かべ、本当に幸せそうだ。
やつの顔を見ていると、ついよかったなと言いそうになる。
ルーピンにくっついてピーターまでシリウスのそばにいるから、俺の周りは急に静かになった。
食堂で食事を一人で摂ったのは何年ぶりだろう。
授業の後のバカ話もナシ。
俺はさくさく監督生仕事を片付け宿題も片付け、クィディッチの練習もして、誰もいない部屋にかえる。
誰もいない……。誰もいない部屋に一人。
脱ぎ散らかされたルーピンのねまきや、きちんと整頓されたピーターのベッドを眺めていると、ルームメイトのいないこのへやが急に寒々としてくる。
友達がいないへやはとてもさみしい。
たった一日のことなのにこのさみしさはなんだろう?
……俺もシリウスの見舞いに行くことにする。
寮を出て医務室に向かう途中でスネイプにあった。
スネイプは俺にシリウスの具合はどうかと聞いてくる。
「まあまあだね」
熱は下がらないけど、ルーピンがついているからシリウスは元気だ。
「ヤツの病はなんだ?」
「アレルギーらしいよ」
「アレルギー……」
そうかと呟くスネイプは、ケンカ相手が不調でなんとなく淋しそうだった。
「……お前も、体には気をつけろ……手洗いとうがいを忘れないようにな」
「……」
最後のセリフは俺の空耳だろうか……。

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