週番(シリウス・ブラック)
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■ 六日目 ■

風邪を引いたらしい。
一昨日くらいから喉がはれてるような気がしていた。
ここ一週間の日課になった皆への声かけをする。
困っていることはないか、何か企んでる可能性のあるヤツはいないか、迷ってるヤツはいないか、授業がつつがなく始まるか……。
最近考えるのはこんなことばっかりだ。
……?
気がついたら宿題を早くに終わらせる自分がいる。
夜更かしするヤツに注意するのにも違和感を感じなくなってきた。
……。
こんなの、いつもの俺じゃない。
俺はへんだ……。こんなの全然俺らしくない。
ジェームズに「監督生らしくなってきたな」といわれて気がつく。
マクゴナガルはコレを狙っていのか……?

今日は例の一年坊主に相談があると呼び止められた。
例によってスネイプのことだ。
こいつは俺とヤツが仲が悪いのを知らないのか?
スネイプがどうした、こうした、さんざんヤツの植木の手入れの手際のよさを聞かされた。
結論から言えば、ヤツはスネイプが自分に冷たいとへこんでいる。
スネイプ先輩はグリフィンドール寮に好きな人がいるそうなんです……。
と悲しそうな瞳で言われちょっとこっちも切なくなった。
相手はスネイプで俺はヤツのいいところがあんまり良く見えないけど、こいつはスネイプの良いところを一杯見つけてそこに魅かれて……ううん。
寮に帰ってリーマスに話した。
リーマスは、スネイプはとっても面倒見のいい優しい(?)人だから好かれるのは当たり前だよと言いだす……。
好かれる(?)……ううん。
「……まえから聞きたかったんだけど、リーマスはあいつのこと……好き……か」
「嫌いじゃないよ。一緒にいると退屈しなさそうだし、お茶も美味しく入れてくれるし、お菓子も美味しいし……」
「お茶なら俺のほうがうまくいれられる!」
お菓子だって、作ったことはないけど、作ったら、あいつなんかより俺のほうがずっと……。
リーマスは目を丸くして、そして微笑んで自分のベッドへ向かう。そしてクッキーの包みをだしてきて俺に差し出す。
「いただきもののお菓子があるんだけど……僕、シリウスが淹れてくれたお茶でたべたいな〜」
一緒にお茶しない?
「お安い御用だ。何が飲みたい?」
ダージリン、アッサム、キームン、ウンナン、アールグレイ……。
持ってる限りのお茶の葉の名前を挙げる。
リーマスはシリウスにお任せしますといいクッキーの包みを開ける。
俺は道具をそろえてダージリンを淹れる。
一番オーソドックスでそして淹れ手の腕のよしあしが一番分かるお茶だ。
その場に広がる香りをリーマスはうっとりとした顔で味わう。
リーマスとお茶。
気がつけばここには俺とリーマスの二人きり……。


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