◎ ホグワーツ学生日記 ◎
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■ 内緒・ヒミツ・でも ■(ピーター・ペティグリュー)

シリウスがルーピンの誕生日プレゼントに靴とトランクを買ってあげていた。
ルーピンの誕生日は再来月だって知っていた。でも、シリウスがあんまり楽しそうに嬉しそうに、リーマス、リーマス、リーマス、リーマス言っていたので、言い出しにくかった。シリウスが覚えていた誕生日は、日にちだけあってた。シリウスが覚えていたルーピンの誕生月は僕の誕生月だ。シリウスはルーピンのことしか頭にない。一日中リーマス、リーマス言っている。ルーピンはときどき迷惑そうな顔をしている。
夕食後、ベットの影でルーピンがごそごそやっていた。見てみると、靴、シリウスに買ってもらった白いエナメルの靴底をマグルの瞬間接着剤で張っていた。
「とれちゃったんだ……」
しまった……という顔をしてルーピンは苦笑する。
ずり落ちるめがねを持ち上げながら、ピーターシリウスには黙ってて……と頼んでくる。でも僕は部屋を出たとたんシリウスに掴まって詰問された。
「リーマスはなにしてたんだ?」
怖い顔をして寄ってくるのでついしゃべってしまう。
シリウスはローブの端を翻して部屋に駆け込む。
ルーピンは靴を隠すがシリウスに暴かれる。
シリウスはルーピンの壊れた靴をみてがっかりする。ルーピンは必死に、謝っている。
シリウスは安物を買ったのが間違いだったといい、来週ロンドンに行くと宣言した。
「え〜だっていいよ!カバンも買ってもらったし、それに、本皮エナメルは高いよ!」
「高くない!お前がはくんだからオーダーメイドで職人に細心の注意を払って作らせる!!」
「いらない!必要ない!」
二人は言い合う。シリウスもルーピンも一歩も譲らない。
シリウスが大きな声を出し始める。ルーピンはびくりともせず、大きな声出すな!!と怒鳴り返す。怒鳴りあう。怒ってる。頭の中で二人の声がわんわん響いて、息が……つまる。そのうちルーピンはカバンも返すと言い出す。シリウスはなんでそんなこというんだと涙目になる。ルーピンはそんな、泣かなくてもいいじゃないかと、おろおろする。
「どうしたピーター・」
ジェームズがやってくる。
「大丈夫か?」
ジェームズは背中をさすってくれる。彼は穏やかな声で、もういちどどうした?と聞いてくる。見たことを説明するとジェームズは喉の奥で笑って、部屋に入っていく。
あっっというまに二人を仲裁する。
シリウスには、ルーピンの価値観を認めるようにいい、ルーピンにはシリウスの気持も組んでやれといい、妥協策としてシリウスにルーピンの靴の修理をさせて丸く治めてた。
シリウスはルーピンが関わると、なりふりかまわない。
普段はクールでかっこいいのに、ルーピンが関わると急に腰砕けになる。
そんなみっともないシリウスは好きじゃない。でも、シリウスをそんなにしてしまうルーピンはもっと、好きじゃない。
ルーピンなんか……。なんでシリウスはルーピンのことが好きなんだろう……。


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