◎ ホグワーツ学生日記 ◎
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■ 納得できない ■(ジェームズ・ポッター)

人生はうまくいく時とそうでないときがある。
そんなのは、分かりきっている。
スネイプ、スネイプ、スネイプ!!
いい加減にしろよスネイプ!!
シリウスが見つけた古い蓄音機の中に12歳に歌ったグリフィンドール寮歌が残っていた。
久しぶりに皆で歌った。寮官に注意され、それで終わったと思った。
翌日、みんながグリフィンドール寮歌を口ずさむ。新入生は知らないから寮に関係なく歌い出す。頭に残りやすいリズムについ鼻歌が口をついて出る。
クィディッチの練習のときも、応援歌になっていた。
まあ、悪い気はしない。あっちこっちで自分の寮がたたえられている。
そう思えた。
スリザリンの一年生がうっかり歌って先輩に大目玉を食らっていたのを見たとき、気がつくべきだった。
思えば兆候はたくさんあった。
図書室でスリザリン寮生が何かやっていたこと、スリザリン寮生が打楽器を練習し始めていたこと……。スネイプが地下牢教室にこもって何かしていたこと……。

ある朝、食堂にはいりがてら、ばちゃっと何かを掛けられた。
!!
みるとスリザリン寮のテーブルの向こうで、ブラスバンドが控えていた。
彼らはおもむろに、スリザリン寮歌を演奏し始める。
体が勝手に踊り出す。いきなり動いたからバランスを崩した。シリウスが支ええてくれたが、ヤツもくるくると踊り始めた。シリウスはピーターに掴まり、ピーターを躍らせる。ピーターはルーピンに掴まりルーピンを躍らせる。
触った人間に呪いがうつる。
気付いた人間から逃げる。スリザリン寮生の演奏で、俺たちは踊った。
踊りながらのろいをうつす。
そして、おもむろに聖歌隊が……。
ラテン語でスリザリン寮歌が朗朗と歌い上げられシンバルが鳴り響く。
シンバルにあわせて俺たちはとんだ。
ジャンプ。
ジャンプしながらルーピンが、ブラスバンドのほうに移動しているのが見えた。
壁際で腕組みしているスネイプ目掛けて倒れこむ。
スネイプが抱きとめ、はっと気付く。
遅い……。
ルーピンと手をつないだまま、スネイプは踊り出す。
ルーピンを振り回しながらくるくると回る。
ルーピンはうー、目が回る〜〜と叫びながら、笑って朝食をとっていたスリザリン寮生にのろいを伝染させ始める。
シリウスが踊りながら(根性だ……)移動し、杖を取り出しルーピンに向けアクシオを唱える!
スネイプをくっつけたままルーピンはシリウスの手の中に……。
どん、とシリウスはスネイプを突き飛ばす。
スネイプは俺の方へ。
手前の床に転がる。床の上で踊るスネイプに幾人も躓き、さながらピンで縫いとめられた標本のようだった。
「大丈夫?」
踊りながら手を掴むと、床の上に引きたおされた。
「貴様の手は借りん!」
強がるが、床の上でばたばた。
こちらもばたばた。
曲はやむがのろいは解けない。
ばたばた……。
ばたばた。
魔法薬学担当教官ルビウス・ショーがやってきて、解呪の薔薇水を掛けてくれるまでずっとばたばた。
「おのれポッター……企んだな」
スネイプをはじめとするスリザリン寮生はこちらを睨みながらおどろおどろしい声を吐く。
「なんで?そもそもどのへんが企んだことになるの?」
「……」
聞いたけど答えてくれない。
いつも、いつも、一方的に「おのれポッター、おのれポッタ」
「納得がいかないんだけどっ」
「……」
スネイプは答えず寮へ帰っていった。

「多分スネイプ、クセになってるんだよっ」
「そうそう、ちくしょ〜て叫んでる感覚なんじゃないか?」
ルーピンとシリウスはいうが、それはそれでなおさら納得がいかない。

おれは罵りの言葉なのか?


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