| ◎ ぐらす ◎
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「ポッター、私がお前を大嫌いなのはな……」 「え?」 ある日の昼下がり、教室移動中、珍しく一人、向こうから歩いてきたスネイプは自分を呼びとめ唐突に言い放った。 「お前のカオだ」 「……顔?」 「面相に邪悪が漂ってる……いくら善人ぶっても、それは隠しきれまい……」 「なんだよ……それ」 「ルーピンもブラックもペティグリューもみんな騙されている……私はだまされない」 「ちょっとまってよ、そんな一方的な……」 「……それに、グラスにキスして頬ずりする趣味もない」 「……」 「そんなに頬ずりしたければ、これにでもしてろ……」 いいつつスネイプは黄色いワイングラスを出してきた……。 「なかなかいい出来だろう?」 「……」 にやり笑ったスネイプは、何かを含んでいるような毒のある顔をした……。 そのまま靴音も高らかにスネイプは角を曲がっていく。 「……」 面相が邪悪……って、なに? グラスを片手に考えるが、結論が出ない。考え込んで遅刻をするわけにもいかないのでそのまま教室へ。 「あ、ジェームズ」 手の包帯をシリウスに巻いてもらっているルーピンがこっち、こっち と手を振る。 「ねえ、ジェームズ、ピーター知らない」 「ピーター?」 「席とりしてるって先に行ったハズなのに、いないんだ」 「……」 なかなかいい出来だろう? 「まさか」 「ん?」 このグラスは……もしかして……。 |
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